会社勤めで10年程度が経てば、中堅社員として上司と後輩(部下)にはさまれて仕事をすることになります。
会社の給料に対する不満や会社の将来への不安が募ってくると同時に、人間関係の悩みも生まれていることでしょう。
上司がパワハラ気味だと絶望的です。反面教師にするしかありません。
アドラー心理学で有名なアルフレッド・アドラーは「 健全な人は、相手を変えようとせず自分が変わる。不健全な人は、相手を操作し、変えようとする」(小倉広 著『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』より)と残しています。
他人を操作し、変えようとするパワハラ上司などは「不健全な人」の代表格でしょう。
1970年に亡くなった精神科医のエリック・バーンは「過去と他人は変えられない。しかし未来と自分は変えられる」と伝えています。
私たちは上司の人間性を変えることはできません。
変えられるのは自分あるいは職場(?)だけです。
パワハラ上司は、自身が「ストレスをもたらす原因(ストレッサー)」となっていることに気付けないのですが、私たちも自分たちがストレッサーとなってしまわないよう注意したいものです。
本サイトの記事では、ストレスを与えないコミュニケーションを図るための、ヒントをお伝えします。
相手が同僚や後輩(部下)なら特に効果的です。
いつも「リスペクト(敬意)」を示せば、あなたは間違いなく慕われる人間になれます。
または「愛されキャラ」「許されキャラ」になることができます。
1.相手が年下でもリスペクト(敬意)を示す
パワハラ上司は、部下を虫けらのように扱います。
けれども、ことわざで「一寸の虫にも五分(ごぶ)の魂」とあるように、どんなに相手が弱い立場であったとしても侮ってはなりません。
上司とは、たまたま職場で上のポストに就いただけの人です。
部下を私物であるかのように扱うのは、間違っています。
むしろ常にリスペクトを示す必要があります。
私たちが中堅社員の立場であったとしても同様です。
後輩(部下)ができたら、自分にはない優れたものを持っていますので、それをまず認める必要があります。
そうすれば後輩はあなたを慕ってくれるはずです。
先輩であるあなたが、多少のミスをしたとしても許してもらえるでしょう。
あなたが「愛されキャラ」「許されキャラ」になるからです。
初期キリスト教伝道者で、新約聖書の著書の一人であるユダヤ人パウロは、ローマにいる信徒に当てた手紙でつぎのように書いています。
「 尊敬をもって互いに相手を自分よりも優れた者と思いなさい」。
別の表現に置き換えれば、「互いに相手をリスペクト(尊敬)し合いなさい」となるでしょうか。
根底には「人はみな神の前に無条件に価値がある」といった思想が流れています。
一方、この宇宙には「他人に与えたものが返ってくる」という法則があります。
「情けは人の為ならず」ということわざにあるように、人に親切にしておけば、やがてはよい報いとなって自分に戻ってきます。
相手に与えたものが返ってくるので、相手をリスペクトすれば、自分もリスペクトされることになります。
多少の失敗にも目をつぶってもらえるでしょう。
ソーシャル・アライアンス(株)会長の桑原正守氏は「現場で即使える本物のコミュニケーションスキル」というDVDの中で、「 愛されキャラは愛されなくなったら終わり。これからの時代は愛嬌のある『許されキャラ』だ」と伝えています。
私たちが「許されキャラ」になれば、トゲトゲしい人間関係の摩擦はなくなります。
Amazonプライムビデオでも視聴することができます。
2.リフォーム会社での体験談
あるリフォーム会社で営業実績を上げ、30歳前後で支店長を任された男性がいました。
支店には20代の部下がいます。さらに40代の部下もいました。
若いゆえに気負いがあったのかもしれませんが、その支店長は自分よりも年上の部下に対する口調がタメ口で高圧的でした。
上下関係のある職場なのでやむを得ない、年上であろうと部下には厳しく当たることが正解だ―という意見もあるでしょう。
ただ、私は違和感を覚えました。営業成績が自分より劣っているという理由で、その部下を軽蔑しているように映ったからです。
「営業成績=人間の価値」とでも言わんばかりの対応が、見ていて不快でした。
これが社会の現実かもしれませんが、本来「営業成績」と「人間の価値」は別物です。
営業成績と切り離して、「人は人として価値がある」という見方ができれば、支店長も年上の部下に対してリスペクトを示すことができたはずです。
それから数年後、風の便りで当時の支店長が、支店長から降りて現場の一営業マンに戻っていることを知りました。
管理職としての力量に問題があったということかもしれません。
3.まとめ
銀座まるかんの創業者であり、日本一の納税者で知られる斎藤一人氏は、「無敵」の意味を「誰よりも強いこと」ではなく、「 敵をつくらないこと。敵がいないこと」と説いています。
私たちもコミュニケーションにおいて「無敵」のコミュニケーションを心掛けたいものです。
どんな相手にも価値があると考え、リスペクトを示すことが「無敵」のコミュニケーションとなります。
「無敵」なので相手にストレスを与えず、良好なコミュニケーションを図ることができます。
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