「会話はキャッチボール」とは、よく聞くたとえです。
会話とは、話し手と聞き手が相互に入れ替わりながら、進めるものだからです。
一方がマシンガントークを続ければ、会話は成り立ちません。
独演会になってしまいます。
大切なことは、聞かれたら相手にも聞き返すということです。
少ししゃべりすぎたと思ったら、相手にもバトンを渡して話すチャンスをあげましょう。
これだけで、会話は気持ちよく弾むはずです。
自分のことばかり話す人
以前、違う記事でも引用したことがあるカナダ在住ブロガーのヨスさんの発言を、最近痛感させられました。
最近気づきましたが、わたしは「自分のことばかり話す人」が苦手です。
そうでなくてもわたしは聞き手側になりがちなので(フンフンと聞くのが得意)、そういう人が相手だと演説を聞いてるみたいになるんですよ。
完全に一方通行なコミュニケーションは、コミュニケーションじゃありませんよねぇ。
— ヨス 🇨🇦カナダ移住計画 (@yossense) June 5, 2019
そうでなくてもわたしは聞き手側になりがちなので(フンフンと聞くのが得意)、そういう人が相手だと演説を聞いてるみたいになるんですよ。
完全に一方通行なコミュニケーションは、コミュニケーションじゃありませんよねぇ。
— ヨス カナダ移住計画 (@yossense) June 5, 2019
「自分の話ばかりする人」と聞いて身近に特定の人の顔が思い浮かぶなら、はやく距離を取るのをオススメします!
逆に「自分のことばかり話してないか?」に気をつけるのもオススメです。
— ヨス 🇨🇦カナダ移住計画 (@yossense) June 5, 2019
逆に「自分のことばかり話してないか?」に気をつけるのもオススメです。
— ヨス カナダ移住計画 (@yossense) June 5, 2019
ネットだと「閉じるボタン」で回避できますが、会って話してたら、しばらくは時間を無駄にしなければならなくなるので、本当に時間がもったいない。
そもそも、自分のことしか話さない相手は、わたしには興味が無いんですよね。
ただ単に自分のことを聞いてもらえる「人形」が欲しいだけ。
— ヨス 🇨🇦カナダ移住計画 (@yossense) June 5, 2019
そもそも、自分のことしか話さない相手は、わたしには興味が無いんですよね。
ただ単に自分のことを聞いてもらえる「人形」が欲しいだけ。
— ヨス カナダ移住計画 (@yossense) June 5, 2019
ヨスさんが指摘するように「自分のことばかり話す人」は、相手に対する興味がないと言えます。
相手に誠実な関心を寄せることは、良好な人間関係を築くカギです。
誠実な関心を寄せる
上で「誠実な関心を寄せる」と記しました。
デール・カーネギーが著書『人を動かす』(創元社)の中で、「人に好かれる六原則」の一つに挙げているものです。
「誠実な関心を寄せる」という章で、カーネギーは当時、世界の奇術師として有名だったハワード・サーストンについて紹介しています。
特に学識があるわけでもなく、貧乏だったハワード・サーストンが、持っていたのは「観客を引きつける人柄」と「人間に対して真実な関心」でした。
彼(注:ハワード・サーストン)の話では、大抵の奇術師は、観客を前にすると、肚のうちでこう考えるのだそうである――。
「ほほう、だいぶ間の抜けたのが揃っているな。こんな連中をたぶらかすのは朝飯前だ」
ところが、サーストンは、全く違う。
舞台に立つ時はいつもこう考えるという――。
「わたしの舞台を見にきてくださるお客様があるのはありがたいことだ。
おかげで、わたしは日々を安らかに暮らせる。
わたしの最高の演技をご覧に入れよう」
サーストンは、舞台に立つ時、必ず心の中で「私は、お客様を愛している」と幾度も繰り返し唱えるという。
お客様に対する関心とリスペクトがあったからこそ、ハワード・サーストンは稀代の奇術師として成功を収めたと言えます。
相手を「好き」と思え
「わたしは、お客様を愛している」と唱えることは、やりすぎのような気もしますが、飛び込みセールスで99%の契約率を誇った加賀田晃氏も、似たようなことを話していました。
加賀田氏は、どんな相手であっても、その人の長所を発見して、それを「 好き」と思い込むように勧めます。
『加賀田式セールスのすべて セールス六法』には、相手の長所を発見して「好き」と思うことについて加賀田氏の語った言葉が載っています。
どうしたら会(お)うた瞬間に、誰とでも仲良くなれるか?
(ホワイトボードに"相手の長所を発見して「好き~」と思って"と書く。
相手の長所を発見して見つけるんです、自分から。
「うわっ、この人血色がいいな」
「うわっ、この人優しそうだな」
「うわっ、手が綺麗だな」
何かあるじゃん、長所が。
欠点が8あっても、1つか2つは長所があるじゃん。
その長所探しなさい、自分から。
会(お)うた瞬間によ。
これも習慣です。
それが癖になります。
その長所を見つけて、「うわー、この人頭よさそうだな。うわーこの人滑舌がいいな」
会(お)うた瞬間に相手の長所を発見して、「好きー」と思いなさい。
私、保証する。以心伝心。
こっちが「うわー、この人感じがいいな」と思ったら、言葉に出さんでもビビビビビビビビッ
「私はあなたに好意を持っていますよ」
「あなたいい人ですね」
「私、あんたみたいな人が好きです」という気持ちが瞬時に相手に伝わります。
でしょ? 本能的にわかる。
こいつは俺を嫌っているのか? そうでないのか?
言わなくてもわかります。
だから良い人間関係を作りたいんなら、言葉でホメるとかけなすとか言う前に好きになりなさい。
誰をも。
加賀田氏の著書『営業マンは「商品」を売るな!』(サンマーク出版)にも、「営業マンは『愛』と『情熱』がすべてである」という一節があります。
この中で加賀田氏は、「日ごろから、出会うすべての人、少なくとも目の前の人を、こちらから話しかけてひとときでも幸福にしてあげること」を勧めます。
幸福にしてあげるには、「 相手が関心をもっていそうなこと」「 得意に思っていそうなこと」を聞いてあげることが効果的だと説きます。
こちらから質問して、相手に話させてあげることは、相手に「 誠実な関心を寄せること」と同義と言えるでしょう。
日ごろから、出会うすべての人、少なくとも目の前の人を、こちらから話しかけてひとときでも幸福にしてあげることです。
何を話すのか?
それは一見して「相手が関心をもっていそうなこと」「得意に思っていそうなこと」にふれてあげる、心を込めて質問してあげることです。
相手に関心を寄せるのが上手な人は、相手の変化に敏感です。
メガネを新調した会社の同僚の男性社員に、女性社員が「あら、メガネを替えたの?」と聞いたところ、男性社員は「よくぞ気付いてくれました」とばかりの笑みを浮かべて購入の経緯を話していました。
午前中にそのやり取りを聞いていた私も、帰り際、男性社員に「メガネ替えたんですか?」と話しかけると、「分かりました?」と嬉しそうに反応します。
私もメガネユーザーなので「どこのお店がお薦めですか」と聞くと「JINSです」などと得意げに教えてくれました。
逆の立場で、仮に私がメガネを新調したのに、誰も気付いてくれなかったとしたら、少し寂しい気持ちになることでしょう。
「 相手が関心をもっていそうなこと」「 得意に思っていそうなこと」にふれてあげる、心を込めて質問してあげることは、よい人間関係を築くためには欠かせません。
「話すことが好き」でも、話を聞かない人
「話すことが好きだから」という理由で、コールセンターに勤めている20代の男性がいます。
会話をしていたら、確かに「話が好き」だというのは伝わってきます。
けれども、内容は自分に関することだけです。
決定的に欠けているのは、相手に対する関心です。
私は彼に学生時代、どんなことに取り組んでいたかを聞きました。
彼は英語を専攻していたことや、海外旅行に行ったこと、合唱サークルに入っていたことなどを話してくれました。
自分が話をしたなら、相手にも会話のチャンスを与えてあげるのが会話の定石です。
要は、相手にも質問を返すということです。
彼はひとしきり話したあと、そこで会話を終えてしまいました。
一方通行の独演会です。
残念に感じると同時に、ヨスさんの言葉が脳裏によみがえりました。
再掲します。
「自分の話ばかりする人」と聞いて身近に特定の人の顔が思い浮かぶなら、はやく距離を取るのをオススメします!
逆に「自分のことばかり話してないか?」に気をつけるのもオススメです。
— ヨス 🇨🇦カナダ移住計画 (@yossense) June 5, 2019
逆に「自分のことばかり話してないか?」に気をつけるのもオススメです。
— ヨス カナダ移住計画 (@yossense) June 5, 2019
もう一人、同じ20代のコールセンターに勤める男性がいます。
Uさんとします。こちらはすでにリーダーに抜擢されています。
Uさんに、これまでどのような仕事をしてきたかを聞くと、短期アルバイトをしたりして不遇な時代をすごしてきたことを教えてくれました。
ところが自分の話が終わると、すかさず私にも話を振ってきます。
私はどう感じたでしょうか。
さすがだと感じました。
相手が年下であれ、いや、年下だからこそ、関心をもたれるというのは、気持ちのいいものです。
先に挙げた男性とUさんの違いは、相手に関心を寄せているかどうかの違いと言えるでしょう。
Uさんが、メンバーをまとめるリーダーとして登用されている理由が、ここにあるように感じました。
まとめ
「話すことが好き」でも「相手の話を聞かない」なら、会話は成り立ちません。
会話が常に一方通行となるからです。
自分が話したら、つぎは相手にバトンを渡しましょう。
質問してあげるということです。
とりわけ「相手が関心をもっていそうなこと」「得意に思っていそうなこと」を質問してあげるなら、人に好かれる話し手になれます。
会話を弾ませる秘訣は、聞かれたら相手にも聞き返すというシンプルなセオリーを守ることにあります。
コメントを残す