タバコは「百害あって一利なし」と言われるほど有害です。
タバコが有害であることは、もはや自明の理。
そんな中、『年収1億円になる人の習慣』(ダイヤモンド社)の筆者である山下誠司(やました・せいじ)氏は、タバコを吸わない理由として「 人間関係をムダにする」と指摘します。
これは盲点でした。
「タバコが好きな人」は「タバコが嫌いな人」との人間関係を作りにくい――といった指摘は、斬新です。
「類は友を呼ぶ」という、いわゆる類友の法則から分かるように、「タバコが好きな人」は自分でも気付かぬうちにタバコを吸わない高所得者を退けていることを知らなければなりません。
ポイントは、タバコを吸わない人に高所得者が多いということです。
単純にこうと決めつけることはできませんが、「高所得者=成功者」の割合が高いと言えます。
タバコを吸わない人は、副流煙による受動喫煙の害を熟知していますので、物理的にも「タバコが好きな人」には近寄りません。
「タバコが好きな人」は、成功者にお近づきになれる機会を損失していることを大きなデメリットととらえて、禁煙を始めてはいかがでしょうか。
「機会損失」ほど、もったいないものはありません。
タバコがなくても、人は生きていけます。
タバコがない人生でも、不都合はありません。
むしろメリットだらけ。
やめるのではなく、代替品を使うのも禁煙を成功させる秘訣です。
ニコチンやタールなどの有害物質を含まず、水蒸気を出す電子タバコは禁煙に打ってつけと言えます。
タバコの4つのムダ
『年収1億円になる人の習慣』(ダイヤモンド社)を書いた山下誠司(やました・せいじ)氏は、日本最大級の240店舗を展開する美容室「EARTH」の運営母体、(株)アースホールディングスの取締役です。
社長は、カリスマ美容師の國分利治(こくぶん・としはる)氏です。
このカリスマ美容師の社長がスゴイ。
・最新モデルのフェラーリ
・桜に囲まれた10億円の豪邸
・目の前に海が広がる3億円の別荘
これらを所有しているにもかかわらず、質素倹約を旨として生きています。
例えば「110円以上するおにぎりは買わない」など、耳を疑います。
ともかく、國分社長が経営するアースホールディングスのナンバー2が、山下誠司氏です。
山下氏は、タバコを吸うと4つのムダが生じると言います。
健康をムダにする
一つ目は「健康」です。
健康をムダにします。
山下氏の知る「高所得者」のほとんどは、「健康こそが最高の財産である」と考えているようです。
私の知る「高所得者」のほとんどは、「健康こそが最高の財産である」と考えています。
ですので、タバコも吸わない方がほとんどです。タバコを吸うと、肺がん、心筋梗塞など、さまざまな疾病のリスクが高くなるからです。
引用:『年収1億円になる人の習慣』より
これはリベラルアーツ大学の両学長も、以下の動画で同意しています。
両学長によれば、「 ホントに幸せなお金持ちほど、健康に気を付けていますよ」。
厚生労働省の「最新たばこ情報」にも、タバコが様々な疾病の原因となることが記されています。
お金をムダにする
二つ目のムダは「お金」です。
これは言うまでもないでしょう。
実は山下氏。
以前は、かなりのヘビースモーカーだったようです。
当時、一日に2箱を吸っていたそうです。
金額に換算すると、250円のセブンスターが2箱で500円。
タバコを50年間吸い続けるとしたら、「500円×365日×50年間」で「912万5,000円」も浪費することになります。
このように、とてつもない金額にのぼることを本書の中で試算しています。
ちなみにセブンスターが1箱250円だったのは1998年(平成10年)のこと。
いまやタバコの値段は、その倍となっています。
知らなかった!
「ITmedia ビジネスオンライン」の記事によると、JTが10月1日の消費増税日に合わせて、タバコの価格改定を財務省に申告したようです。
セブンスターの現行価格は500円ですが、2019年10月1日からは510円になります。
もしも10月1日から、タバコを一日2箱50年間吸い続けるとしたら、「510円×2箱×365日×50年間」となり、その結果、「1,861万5,000円」にもなります。
下手をすれば、家が一軒建ちます
あくまでタバコが値上がりしないことを前提とした計算です。
私の予測では、遠くない未来に、1箱1,000円時代がやってくるのではないかと、にらんでいます。
タバコは、実利をもたらさない究極の贅沢品となることでしょう。
喫煙は、お札を燃やして灰にするのと同じことをしていることになります。
ああ、もったいない。
時間をムダにする
三つ目のムダは、「時間」です。
タバコ休憩に行く時間を、1回10分だとします。
午前9時から午後6時まで就業しているとして、1.5時間おきにタバコ休憩をはさむ人がいたとします。
①午前10時30分
②正午(昼休憩1時間に含めるとしてカウントせず)
③午後2時30分
④午後4時
⑤午後5時30分
昼休憩を除けば、計4回のタバコ休憩を取っています。
少なくとも、1日40分をタバコ休憩に費やしていることになります。
年間休日日数が120日の会社に勤務しているとしたら、出勤日は245日。
「1日40分×245日」で、年間「9,800分」をタバコ休憩に費やしています。
「9,800分」は、大体「163.3時間」です。
一日の実労働時間を8時間とした場合、「163.3時間」は「20.4日」分に相当します。
年間で「20.4日」をタバコ休憩に使っています。
出勤しても仕事をせず、タバコを吸うためだけに年間で「20.4日」を使っていることになります。
「タバコ有給休暇」と言ったら良いでしょうか。
経営者からすれば、喫煙者のために「20.4日」分の給料を、ドブに捨てているようなもの。
「20.4日」分の給与と言えば、出勤日が少ない月によっては一ヵ月分の給与に相当するでしょう。
経済的にも、大きな損失とも言えます。
喫煙者は、年間20日以上も勤務時間をムダにしていることを自覚しなければなりません。
人間関係をムダにする
四つ目のムダは、「人間関係」です。
山下氏は、厚生労働省が2014年(平成26年)に実施した「国民健康・栄養調査」の結果をひもときながら、「所得が低いほど喫煙率が高い」という事実を伝えています。
所得が低ければ、高いタバコなど吸わない方が合理的だと思うのですが、真相は逆のようです。
厚生労働所の報告書では「現在習慣的に喫煙している者の割合は、世帯の所得が 600 万円以上の世帯員に比較して、男女とも 200 万円未満と 200~600 万円未満の世帯員で有意に高かった」と指摘しています。
参照:厚生労働省「平成26年国民健康・栄養調査の結果概要」
年収200万円未満と年収200~600万円の成人男女は、有意に(=統計上ハッキリと分かるほどに)「喫煙率が高かった」ということです。
誰と比べて?
「年収600万円以上の男女」と比べてです。
低所得者、平たく言えば 「貧乏人」は、「金持ち」に比べて喫煙率が高いということになります。
逆に「金持ち」は、喫煙率が低い。
なぜでしょうか。
山下氏は私見を以下のように述べます。
私見ですが、「所得が高い人ほど喫煙率が低い」のは、「高所得者は、『生産性のないこと』『健康に悪いこと』に時間とお金を使うことを嫌うから」ではないでしょうか。
高所得者は、喫煙者と疎遠になる傾向があります。
「喫煙者とは仕事をしない」という経営者や、星野リゾート(ホテル、旅館)のように「喫煙者は採用しない」と言い切る企業もあります。
引用:『年収1億円になる人の習慣』より
喫煙行為は、健康もお金も時間もムダにします。
高所得者ほど、こうしたムダを看過することができない――ということでしょう。
「 高所得者は、喫煙者と疎遠になる傾向がある」という指摘は、ゾッとします。
自分を引き上げてくれる富裕層との出会いのチャンスを、みすみす逃すことになりかねないからです。
目には見えない「機会損失」と言えます。
だから余計に怖い。
喫煙者は恋愛対象にもなりにくい
SGホールディングス健康保険組合のサイトに、「体験者からの禁煙メッセージ」と題して組合員の声が載っていました。
ずっと好きだった彼女が、彼と別れたのをうわさで聞いて、すかさずアタックしました。
夕食に誘ったとき、それとなく伝えたら、彼女から「私、タバコ吸ってる人とはお付き合いできないの」とキッパリいわれ、禁煙にトライしたのがきっかけです。
吸いたい気持ちもしばらくありましたが、そのうちに吸わないことが 当たり前になったのは早かったことを今も覚えています。
やってみれば意外に出来るものです。
それ以来10年、一本もタバコを吸っていません。
めでたくその 彼女と結婚し、理想のかみさんと子どもと暮らしています。
きっかけは不純?でしたが、『よかったこと』だらけです。
(東京都 40代男性)
非喫煙者の女性は、喫煙者の男性よりも非喫煙者の男性を好ましいと考える傾向にあるようです。
参考:「結婚するならタバコを吸わない男がイイ!? 非喫煙者をオススメする理由7選」
タバコを手放すことはとても大変なことだと思います。
正直、私も禁煙できるとは思いませんでした。
私が禁煙できたのは、彼氏の何気ない一言でした。
「タバコを吸っている姿は格好良くないね」。
自分では格好が良いとか悪いとか考えたことがなかったけど、人から言われるとやっぱりショックでした。
ましてや彼氏からだとなおさらです。
(宮城県 20代女性)
喫煙者の男性であっても、中にはタバコを吸わない女性を好ましいと考える人がいます。
~閑話休題~
当時私は、身勝手な言い分だな、と思いながら聞いていました。
会社の男性上司が、結婚相手に選ぶ対象について話していたときのことです。
男性上司は、ヘビースモーカーでした。
その上司は「絶対にタバコを吸わないオンナを選ぶ」と言うのです。
事実、奥さんは非喫煙者でした。
タバコを吸う女性というだけで、恋愛対象から外れてしまう恐れがあります。
私は非喫煙者なので、もちろんタバコを吸う女性は、たとえどんなに若くて美人であっても好きになれません。
女性がタバコを吸うと、特に美容面で悪影響が生じます。
「スモーカーズフェイス」もその一つです
タバコを吸う人の顔に現れる老化現象を指します。
女性だけに限らず、男性にも喫煙歴が長い人ほど、顕著に現れます。
一般社団法人日本家族計画協会のサイトには、以下のように書かれています。
画像:「スモーカーズ・フェイス(たばこ顔)にならないために」
タバコを吸っていると、顔のシワが増えたり、たるんだり、顔の色がくすんだりしがちです。こうした老け顔現象が起こるのは、タバコにふくまれる多くの有害物質(ニコチンやタール)が、女性ホルモンの働きをさまたげるため。すると活性酸素が大量に発生し、細胞を傷つけ、老化を速めてしまいます(第1の理由)。
このとき活性酸素をとりのぞこうと活躍するのが、ビタミンCやE。そのためタバコを吸うと、細胞の若返りに必要なビタミン類が大量に消費されてしまうのです。その結果、コラーゲンなどの肌をつくる成分も減って、肌の状態が悪化してしまいます(第2の理由)。
老け顔は、たまたまわかりやすいので話題になりますが、実際には細胞の老化の問題。からだ全体で、肌のかさつき、くすみ、たるみの原因になります。
私は非喫煙者なので、喫煙者の顔の特徴が大体見分けられるようになりました。
相手が40代の女性だと、喫煙者か非喫煙者か大体見分けられます。
一言で言えば、老け顔かそうでないかを見分けるだけです。
具体的には、目の周りや口の周りのシワが目立ち、肌に水けがなくカサカサしているか、皮膚が浅黒い感じであれば、喫煙者だと想像がつきます。
喫煙者は実年齢よりも10歳ほど老けて見えます。
禁煙のメリットに、「白目の濁りが取れる」という声がありました。
禁煙して数ヶ月経つと、白目の濁りが取れます。と、先生に言われて半信半疑で禁煙しましたが、本当でした。
「目は口ほどに物を言う」ということわざがあるぐらいですから、白目の濁りが取れるだけで表情が明るく見えて、第一印象がアップする可能性も高められるのです。
逆に言えば、喫煙者は白目が濁っているということになりそうです。
タバコを吸い続けながら、高価な化粧品類にお金を投じる女性の行動は、ムダの極致と言えます。
男性も女性も、異性から選ばれたいなら、タバコをやめることです。
まとめ
アースホールディングス取締役の山下氏は、「タバコが好きな人」は「タバコが嫌いな人」との人間関係を作りにくいと指摘します。
「タバコが好きな人」は「タバコが嫌いな人」との人間関係をつくりにくくなります。
成功者を味方につけるには、「生産性の低いこと&健康に悪いこと」=「タバコ」をやめたほうがいいのです。
喫煙を続けているかぎり、成功者(非喫煙の高所得者)の協力を得ることは難しいでしょう。
引用:『年収1億円になる人の習慣』より
低所得者ほど「タバコが好きな人」の割合が高く、高所得者ほど「タバコが嫌いな人」の割合が高いとも言えます。
貧乏人は、タバコが好きだからこそ、健康とお金と時間をムダにし、貧乏な現状を脱することができません。
お金持ちは、タバコが嫌いだからこそ、健康とお金と時間を大切にし、ますます富み栄えるようになります。
私は聖書にある一節を思い出しました。
「持っている人は更に与えられて豊かになるが、持っていない人は持っているものまでも取り上げられる。」
―イエス・キリストの言葉(マタイによる福音書13章12節)
「タバコが好きな人」は、タバコを吸うことによって「健康」という、もともと持っているものまで取り上げられてしまうことを忘れてはいけません。
成功者(非喫煙の高所得者)の仲間入りをしたいなら、タバコはやめるのが得策です。
たばこの煙にはニコチン、種々の発がん物質・発がん促進物質、一酸化炭素、種々の線毛障害性物質、その他多種類の有害物質が含まれています。
喫煙により循環器系、呼吸器系などに対する急性影響がみられるほか、喫煙者では肺がんをはじめとする種々のがん、虚血性心疾患、慢牲気管支炎、肺気腫などの閉塞性肺疾患、胃・十二指腸潰瘍などの消化器疾患、その他種々の疾患のリスクが増大します。
参考:厚生労働省の最新たばこ情報「たばこ煙の成分」