クレカ不要で持てるETCカード
クレジットカードを持たない(あるいは、持てない)人がETCカードを作ろうとしたら、東日本高速道路株式会社や首都高速道路株式会社など六社が共同で発行するETCパーソナルカードを利用しようとするだろう。
ただし、クレジットカード会社が発行するETCカードと違い、あらかじめ保証金(デポジット)を預託する必要がある。
預託(よたく):金銭または物品を一時的に預けること。
保証金(デポジット)の金額は、高速道路の利用料金の4倍相当額は納めなければいけない。
例えば、札幌北ICから旭川鷹栖ICまで平日に高速道路を使って移動するとする。
画像:ドラぷらより
片道3,800円なので、往復すると7,600円。約8千円になる。
この8千円の4倍の保証金(デポジット)、つまり32,000円をETCパーソナルカード事務局に預託する必要がある。
ただし保証金(デポジット)は、20,000円、40,000円、60,000円、80,000円、100,000円…と2万円単位で預けることになっているので、32,000円であれば、最低でも40,000円の保証金(デポジット)を預託しなければならない。
仮に保証金(デポジット)を20,000円だけ預けたとしても、高速道路の利用料金(未決済残高)が保証金の70%(14,000円)に達した段階で、自動的に増額デポジット20,000円分が口座から引き落とされる。
月に1回、札幌と旭川を往復するくらいなら、高速道路の利用料金は8千円程度なので、保証金(デポジット)が20,000円でも問題ないが、月に2回往復するとなると、16,000円になるので、保証金(デポジット)は40,000円が必要になる。
自動増額デポジットの仕組みは、保証金(デポジット)「20,000円の会員」にのみ適用されるので、40,000円以上預託している人には、関係ない。
ともかく、札幌と旭川間を月に2回は高速道路で往復するという人は、保証金(デポジット)が最低でも40,000円は必要だ。
もちろん解約すれば、保証金(デポジット)は戻ってくる。
とはいえ、40,000円の経済的負担は大きい。
締め日と支払い日と注意点
ETCパーソナルカード(パソカ)の締め日は月末で、支払いは翌月27日。登録した金融機関の口座から高速道路の利用料金が引き落とされる。
やっかいな注意点がある。
高速道路の利用料金(未決済残高)が預託している保証金(デポジット)の80%を超えると、パソカが利用停止となることだ。
仮に40,000円預託していたとしても、80%に当たる32,000円以上、高速道路を利用したとすれば、パソカは強制的に利用停止となり、翌月の支払いが済むまでは使えなくなる。
常に利用料金を把握しておく必要が生じるので、オチオチと高速道路を走り回るわけにもいかない。
パソカの使い方は、ふつうのETCカードと同じ
ETCパーソナルカード(パソカ)の申込みには、郵送で申込書を送る必要がある。
申込書の作成には、「ETCパーソナルカードWebサービス」サイトを利用する。
申込書を郵送して不備がなければ、ETCパーソナルカード事務局から保証金(デポジット)の振込用紙が届く。
保証金(デポジット)を振り込んだら、事務局からETCパーソナルカードが届く。
カードは、通常のETCカードと同じように使うことができる。
保証金(デポジット)の負担と利用制限に難あり
どちらかと言うと、クレジットカードを持たないのではなく “ 持てない ” 方が、クレカ発行以外の方法でETCカードを手に入れたいと思っているはずだ。
そんなときにETCパーソナルカードは、選択肢の一つになり得る。
ただし、保証金(デポジット)が月額利用料金の4倍は必要であること、そして高速道路の利用料金(未決済残高)が保証金(デポジット)の80%を超えると、パソカが利用停止となることは、通常のETCカードと比べて、圧倒的に不便。
貯金代わりに、保証金(デポジット)を預託するという奇特な方がいるかもしれないが、制約のあるETCパーソナルカードについては、あまりお薦めできない。
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