車に傷を付けられたとき、あなたは寛容になれるか?

駐車場と夕焼け

本記事では、詫びる相手の心理的負担を軽減する方法について説明します。

あえて余計な重圧を課さない生き方について私からの提案です。

 

さて昨日、大型ショッピングセンターの駐車場に愛車を止めていたのですが、少しだけこすられてしまいました。

大した傷ではありません。

その場にこすった相手がいた場合、あなたはどうしますか。

怒りますか。

それとも笑って許しますか。

 

当日の出来事

日曜日の午後3時過ぎでしたので、大型ショッピングセンターの屋外駐車場は混んでいます。

空いているスペースがなかなか見つかりません。

諦めて屋内駐車場に入ろうかと思ったとき、出口近くの車が一台出てくれました。

さっそく私はハザードランプを点けて、空いたスペースに車をバックで入れます。

エンジンを切ったとき、なぜか胸騒ぎのようなものを感じました。

 

車から降りてリアの部分を見ると、もう少しバックして後ろのスペースを詰められることに気付きました。

人一人が立てるくらいの空きがあったということです。

それでも、車のボンネットは駐車場の枠線内に収まっていたので、気にはかかりましたが、「これでよし」としました。

 

店内の食料品コーナーは買い物客でごった返しています。

売り子が試供品のハンバーグやソーセージを焼いているので、あたりにはこんがり焼けた肉のにおいが漂っています。

私は少し時間をかけて、エコバッグ2袋分の食材を調達しました。

 

パンパンに膨らんだエコバックを両手に下げて駐車場に戻ると、私の車の斜め前に30代くらいの女性が立ってスマホで何かを話しています。

険しい顔つきです。

一瞬「何だろう?」と思いました。

私が近づくと女性はよけてくれましたので、車のスライドドアを開けて荷物を積みます。

運転席に乗り込み、さあエンジンをかけようとしたときに、先ほどの女性が「あの~、すみません」と話しかけてきました。

暗い表情をしています。

緊急事態が発生したか、何か困ったことがあったのかと思い、急いで車から降りました。

すると女性は、「車をこすってしまったんです。私の車は大丈夫なんですが、こちらの車のフロントの部分を傷つけてしまいました」と説明します。

見ると、ひっかき傷のようなものが見えます。

瞬時に理解しました。

私の車の隣には、女性が所有する型落ちの青い大型SUV車が止まっています。

頭から駐車場に入れたのでしょう。

その際、私の車のフロント部分と接触したもようです。

 

女性の立場を考える

彼女は私が戻ってくるまで、逃げずに待っていました。

「当て逃げ」しようと思えばできたはずです。

でも彼女の良心がそれを許しませんでした。

スマホで話していた相手は、もしかしたら損害保険会社の担当者かもしれません。

車の所有者が戻ってくるまでの間、心は重圧で押しつぶされそうになっていたはずです。

私が逆の立場だったら、どんな運転手が戻ってくるのか、怒鳴られないかなど、不安を感じることでしょう。

 

当日の気温は24度くらいでした。

ふと彼女の表情を見ると、汗で顔がテカッています。

脂汗のせいでしょうか。

目の下にクマが見え、憔悴しきったような表情です。

私に許しを請うような表情にも見えます。

弁済する覚悟なのでしょう。

彼女の眼は「どうすればいいですか」と、おびえるように無言で私に訴えかけてきます。

 

贖罪の意識を持ちながら、いつ戻るとも知れぬ車の所有者を待っていた彼女。

胸がギューと押しつぶされそうになっていたに違いありません。

そう思うと、私の方がいたたまれなくなりました。

不憫にすら感じました。

彼女がどれだけの時間待っていたかは知りません。

私はゆっくりと買い物を済ませたことを申し訳なく感じました。

 

私がとった対応

「これくらい大したことないですよ。もうボロい車ですからね」とわざと笑顔を作りながら、私は軽くボンネットをたたきます。

彼女は「いや、そんなことないと思います」と抗弁しますが、私は「これくらいの傷、大丈夫です」と言ってきびすを返します。

彼女はなおも私についてきて、何かを言いたそうです。

確かに私以外の人であれば、文句の一つや二つ言うかもしれません。

そこで「今度から気を付けて下さいね」とだけ告げました。

彼女は「せめて名前だけでも」と引き留めますが、構わず車に乗り込みます。

私が駐車場から車を出しても、彼女はまだそこを立ち去りません。

「どうぞどうぞ買い物に行ってください」と私は手でジェスチャーします。

そのあとは後ろを振り返らず、車を走らせました。

 

反省

私の変な胸騒ぎは、「事故」を予見していたのかもしれません。

でもちょっとした手間を惜しまず、車をもう少しだけバックさせていれば、こすられなかった可能性があります。

そう、私にも責任があるのです。

ですから、彼女に対して「私も悪いのです。もう少し車を後ろに止めていればよかったのです」と告げるべきでした。

そうすれば、もっと彼女の気持ちを楽にさせてあげることができたでしょう。

 

まとめ

謝る相手に対して「自分にも非があるから、あなたは大丈夫」と言ってあげたいものです。

これを言うか言わないかで、相手の受け止め方もだいぶん異なってきます。

私は「これくらい大したことないですよ。もうボロい車ですからね」と気前よく言ったつもりでしたが、相手がすんなり納得してくれたとは思えません。

「あなただけでなく私にも非があるんだ」と言ったときに初めて、相手は自分を責める心の苦しみから解放されるのではないかと思います。

今回は、一歩踏み込みが足りませんでした。

 

※軽微な傷だったので不問に付しましたが、ボッコリと大きく凹むような傷を付けられた場合は、もちろん直してもらいますよ。

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