出世するのは上司の悪口を言わない人

 

スイスイ出世する人、デキるのに不遇な人』(ワニブックス)という本があります。

 

筆者は銀座「クラブ由美」オーナーママの伊藤由美さん。

 

銀座の超一流クラブとして政治家や財界人、文化人など名だたるVIPたちから絶大な支持を得ている――と裏表紙に書いてあります。

1983年4月にオーナーママになり、本は2014年に出版されていますから、30年以上、夜の世界で成り上がる男性と没落する男性の違いを見てきたに違いありません。

 

本の中では、出世する人の特長として「上司の悪口を言わない」があります。

「なるほど」と思われるかもしれませんが、これが案外難しいのです。

私などは、自分より権力も地位もある上司については、陰で悪口を言っても何ら問題ないと思っていました。

むしろ、積極的に上司を批判し、反面教師として自身の成長の糧にするべきだと思っていました。

ところが伊藤ママは、「お酒が入ると上司の悪口が始まる、そういう人はまず間違いなく出世しません」と断言します。

 

YouTube講演家として飛ぶ鳥を落とす勢いの鴨頭嘉人氏は、日本マクドナルドの店長職に就いていたとき、カリスマスーパーバイザーに出会います。

そのカリスマスーパーバイザーは、市辺(イチノベ)さんという人です。

この市辺さんは、晩酌を欠かさない人だったようです。

飲むと、人は本音が出ます。

市辺さんは、飲むと人の長所を褒めたといいます。

 

飲むと悪口ではなく、誉め言葉が出たというのです

これを鴨頭氏は「陰褒め(かげぼめ)」と名付けています。

 

八重桜

 

悪口を言わないことをテクニックと考えるなら、間違いです。

これは生き方の問題です。

「悪口を言わない」を生き方としてとらえるなら、これほど高邁で気高く、高尚な生き方はありません。

 

そして隠れた事実ですが、悪口を言わない人は、偉くなれます。

 

私の過去の失敗談

新潟県の進学塾で塾講師をしていたときのことです。

まだ20代でした。

塾長の立場にあった上司が、とにかく嫌でした。

 

酒を飲めば、顔を真っ赤にして調子に乗ります。

時に声が裏返っており、「いい大人が恥ずかしい」と思っていました。

 

ところが会議になると鬼になります。

仏頂面になり、容赦なく人を問い詰めます。

違いが極端なので、酒でしかストレスを発散できない可哀そうな人だと思っていました。

 

その上司が、部下の査定も担当しています。

 

私は「給与がなかなか上がらず、安月給なのは上司のせいだ」と考え、後輩と上司の欠点について話し合っていたものです。

 

気付けば、上司からますます評価されなくなり、最終的には退職勧奨を受けるまでになりました。

 

ちなみに悪口を聞いてもらっていた後輩も、私の後を追うようにして退職させられています。

 

これが悪口の怖いところです。

悪口は、なぜか言った本人を没落させます。

 

伊藤ママは言います。

 

上司に限らず人の悪口というのはすべてネガティブな行動で、それを言う人にも、それを聞く人にも、マイナスの影響しか与えません。

 

言う人にしてみれば、一時的なストレス発散にはなるかもしれませんが、ネガティブな言葉は結局は自分に戻ってくるものです。

 

自分が口に出して言った悪口は、同時に自分の耳でも聞いていますよね。

 

それってアウトプットしたネガティブワードは、同時にインプットもされているんです。

 

それは聞かされる側にしても同じことです。

 

だから悪口大会になると、言う側も聞く側も気が滅入ってくるものなんですね。

 

ダメな上司のために、自分までネガティブ要因を心の中に抱えるなんてバカらしいじゃないですか。

 

本当にデキる人は、そんな無駄なことをしないものですよ。

 

 

人の悪口は天に唾するのと同じこと。

  すべて自分に返ってくるんです。

 

 

 

つぎは、私が業界紙の記者をしていたときのこと。

ライバル社の女性社員に、「まずい、好きかも」と思ってしまうほど、魅力的な人がいました。

一緒に昼飯でも食わないかと誘ったところ、ついてきてくれたのでラッキーと有頂天になります。

 

ところが会話の中で、私は悩みの種だった女性事務員の悪口をしゃべってしまいました。

 

そのときの気まずそうな顔をした彼女の表情は忘れられません。

 

私は自分の悪口は正しいと思い込んでいますから、何とか同情を引こうとして精一杯、共感してもらえるように事務員の悪口を言います。

 

それなのに彼女は、まったく同調してくれません。

かえって居心地が悪そうです。

 

そこで私はようやく、自分のしていることは、好ましく思われていないのだと気づきました。

 

好みのタイプの女性を前に、何とも愚かなふるまいをしたものです。

 

これで私が悪口を金輪際言わなくなったかと言うと、そんなことはありません。

 

まだまだ他人様の悪口を言って、逆に自分がドツボにはまった経験は数えきれないほどあります。

 

だから、これに懲りて、私は「もう悪口は言えない口になりましたとさ」と自分に言い聞かせるようにしています。

鴨頭氏が教えてくれた呪文です。

悪口は、実は言った本人を一番腐らせる怖い言葉です。

私が身をもって体験しました。

 

悪口に同調しない

伊藤ママは、「デキる人、偉くなれる人は、そういう場で上司の悪口を言いません」と言います。

「そういう場」とは、居酒屋、赤提灯の屋台、銀座のクラブといった酒席を指します。

本の一節を引用します。

 

デキる人、偉くなれる人は、そういう場で上司の悪口を言いません。

 

絶対に言わない。

 

そして周囲がそういう雰囲気になってきても、決して同調しません。

 

さらりと話題を変えたり、ちょっとした笑い話に持っていったり、嫌味にならない程度にフォローしたりして、その場の空気を明るくするように努めるんです。

 

「まあ、組織なら大なり小なり、みんな兵隊だからなぁ」

 

「あの人の『イエス』が出るのは売り上げがいいときなんだよ。結構なことじゃない」

 

「そうそう、それよりもさ――」

 

と、誰もけなさず、誰も非難せず、場の雰囲気をコントロールできる。

 

そういう人は組織にとって欠かせない人材になって当然でしょう。

 

まとめ

鴨頭氏が紹介する市辺さんは、カリスマスーパーバイザーとして活躍して、どこの地域に赴任しても、その地域を売り上げ日本一に変えていくという、通称「イチノベ・マジック」の体現者でした。

鴨頭氏によると、今でも日本マクドナルドの「偉い人」として働いているそうです。

 

そして市辺さんの精神を受け継いだ鴨頭氏も、今ではYouTube講演家として名声を博しています。

「もう一生悪口は言えない口になりましたとさ」という呪文を広めているくらいです。

陰で悪口をしているとは思えません。

 

私が見習いたいブロガーの一人のマナブさんは、こういうツイートを流しています。

 

 

そういえば、先日の旅行中に「圧倒的に稼ぎまくる神たち」と出会ったのですが、そういった方々の共通点は「他人を批判しない」という点でした。

自虐ネタはいいと思いますが、他人を批判しつつの自分を正当化するとかは、僕は良くないと思っており、今後も批判ゼロで生きていきます

 

そのマナブさんの知人もこうツイートしています。

 

ここ数日、圧倒的格上たちと一緒に過ごしてたんですが

・他人の批判はしない
→批判は時間の無駄だと理解してる

・全ての物事は自己責任
→失敗しても能力不足ととらえる

・互いに尊敬し学び合う姿勢
→10歳年下の僕にも敬語で接する

という感じ。超基本的なところだけど、やっぱ大事です。

 

マナブさんと迫さんの「他人を批判しない」は、「他人の悪口を言わない」と同じ意味だと思っています。

 

マナブさんのお知り合いは、資産「億」の人たちだと、以前マナブさんがツイートしていました。

 

 

稼ぐ人は、批判しない、つまり自分を没落させる悪口を言わない人たちだと勝手に解釈しています。

 

あながち間違ってはいないはずです。

 

悪口を言うことは、はっきり言って、無駄でしかありません。

 

稼ぎたいなら、偉くなりたいなら、デキる人になりたいなら、没落したくないなら、自分を腐らせたくないなら――。

 

悪口を言わないことです。

 

あなたはもう、悪口を言えない口になりましたとさ。

 

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUT US
モタヨシ
不遇の就職氷河期世代。