意外と見逃しがちな車のブレーキディスク(ブレーキローター)について、紹介します。
車にとって一番大事な部品は何でしょうか?
実はエンジンではありません。
もっとも大事な部品は「ブレーキ」です。
エンジンは壊れても車が動かなくなるだけですが、ブレーキは効かなくなったら終わりです。
ブレーキを踏んでも止まらなくなったとき、人は簡単にパニックに陥ります
どこかの建物に衝突するしか止まる術はありません。
高齢者がアクセルとブレーキを踏み間違える事故が多発しています。
本人は「ブレーキが効かない」と思って余計にアクセルを踏むわけです。
その焦りが、突拍子もない事故を招きます。
ブレーキは、効かないとパニックになるほど重要な部品と言えます。
※参考「車で一番大事な部分はエンジンではない!ブレーキだ!」より
さて、このたびディーラーに勧められてブレーキディスクを交換しました。
気持ちよいほど「タイヤが転がる」ようになりました。
愛車を大事に乗り続けるあなたの車のブレーキディスクは、大丈夫ですか?
ブレーキパッドとブレーキディスク
車に少し詳しい人ならブレーキパッドが交換を必要とする消耗品であることを知っているでしょう。
車検でも必ずブレーキパッドの厚みが測られます。
新品のブレーキパッドは、厚さが約10mmです。
厚さ2~3mmになったら、要交換と言われています。
一方、ブレーキディスクは、交換せずに済ませる人が多いのではないでしょうか。
私が以前乗っていた走行距離28万kmのトヨタ車(ビスタ)は、約20年間一度も交換しないまま廃車となりました。
現在乗っているホンダ車(モビリオスパイク)は、走行距離が約11万km。
これまでブレーキディスクは未交換でした。
平成15年登録車なので、すでに15年が経過しています。
ブレーキパッドは厚さ4.5mmと半分弱あります。
まだ使い続けることができそうです。
ところが、ブレーキディスクがサビでボロボロでした。
このため、知らないうちに様々な不具合が生じていました。
不具合:走行中シャリシャリと音がする
運転中、シャリシャリと物がこすれるような音が、フロントの右タイヤの方から聞こえてきます。
放っておくのは精神衛生上よろしくありません。
車検のとき、非ディーラー系の整備会社に症状を伝えました。
サービスマンから「フロントブレーキのバックプレートが干渉している」と指摘されました。
当然修理をお願いします。
ところが車検を通したのに、依然としてシャリシャリと音がするではありませんか。
車もセカンドオピニオンが必要な時代なのでしょう。
※セカンドオピニオン=患者がよりよい決断をするために、現在診療を受けている担当医とは別に、違う医療機関の医師から意見を求める行為。
今度はホンダディーラー(Honda Cars 北海道 環状通東店)に車を持ち込んで見てもらうことにしました。
車を店舗の駐車場に止め、出てきたスタッフに症状を伝えると、すぐに「ブレーキディスクがサビサビですね」と言われました。
車検のとき、非ディーラー系の整備会社で撮ってもらったブレーキの写真を見せると、「ブレーキディスクのサビのせいでパッドも削れています」。
確かにブレーキディスクの外周部にサビによる膨らみできています。
そのためパッドにも段差ができていました。
結局、左右のブレーキディスクだけでなく、ブレーキパッドの同時交換を勧められました。
削れて変なクセが付いたパッドより、新品の方がブレーキ性能をフルに発揮できるからです。
不具合:エンジンブレーキが強すぎる
フリードの前身に当たるモビリオとモビリオスパイクには欠点があると指摘されています。
まずジャダーです。
発進時に「ガガガガ」と震える症状です。
CVTオイルの交換を2~4万kmごとに行えば、症状は発生しないと言われています。
つぎにエンジンブレーキが強いことです。
足をアクセルから離すと、下のコメントにもあるように、「クーッと何かが詰まった感じ」になります。
車がスーッと流れてくれないのです。
新車で購入しましたが初日から挙動が変でした。
特に30~40kmで不意に不快なエンブレがかかります。
アクセルオフでもスーッと流れてくれません。
上り坂でもクーッと何かが詰まった感じになりスーッと流れてくれません。
この気持ち悪さはひどいものです。
新車の気持ち良さなどは何もありませんでした。
1500ccですし、高級車でもないので高速安定性などは求めていません。
渋滞でノロノロ運転しているときに、このクーッという喉に何かが詰まったような違和感は気分が悪いです。
この詰まる感じはクセがつかみにくく、どうしても不意に入ってしまいます。
こういう街乗りの車で30~40kmの速度で不快な挙動をするのは設計に問題があるのではないでしょうか?
みんからのコメントより
この車種のCVTの特性だと言われています。
「慣れ」の問題かと思いました。
ところが違いました。
私の車の場合、ブレーキディスクのサビが、悪さをしていました。
交換後はスムーズな走り
ブレーキディスクとパッドを新品に交換しました。
- ディスク、フロントブレーキ 交換 数量2 部品代 20,304円
- パッドセット、フロント 交換 数量1 部品代 10,260円
- スクリュー、フラット 交換 数量4 部品代 128円
- 技術料 7,776円
整備代合計 38,468円
うれしいことに、走行中シャリシャリと音がしなくなりました。
そして副産物と言えるかもしれませんが、クーッと何かが詰まったようなエンジンブレーキの違和感がなくなりました。
アクセルを離してもスーッと流れるような感じです。
ようやく「普通の車」に戻ってくれたと言えます。
サビで膨張したブレーキディスクと、ブレーキパッド以外に不具合の原因は考えられません。
まとめ
愛車の管理責任者はほかでもなくあなたです。
違和感を覚えたら、放っておくことはせず、調べましょう。
車検を通したから「安心」とは必ずしも言えません。
車検とはあくまで「その車両が道路運送車両法に定められている保安基準を満たしているかどうか?」を検査するものです。
参考:山形トヨタ自動車のホームページより
保安基準を満たしていても、トラブルが潜んでいるかもしれません。
たまたま今回はホンダディーラー( Honda Cars 北海道 環状通東店 )でブレーキディスクの交換を勧められましたが、別会社のディーラー系店舗でタイヤ交換をしたときは、ブレーキディスクの交換を勧められませんでした。
ディーラー系だから常に的確な診断をしてもらえるとは限りません。
自分の愛車のことを一番よく知るのは、愛車を運転するあなたです。
10年以上経過した車に乗っているとしたら、ブレーキディスクのサビ具合をチェックしてみることをお勧めします。
知らないうちに走行性能を悪化させているかもしれません。
ブレーキディスクに限らず、私たちは責任を持って愛車の状態を把握するよう努めたいものです。
【追記】2018年9月28日
自動車用品店「ジェームス琴似店」(札幌市)に、ブレーキディスクの比較展示がありました。
サビでボロボロになった方は、まさに私の車にあったブレーキディスクと同じ状態です。
「車検2回ごとの交換がおすすめ」とあります。
さすがに4~5年ごとの交換は期間が短すぎると思いますが、逆に言えば、それくらいサビに侵されやすいということでしょう。