9月25日午前7時45分頃、北海道苫小牧市で軽自動車に乗っていた母子が死傷するという痛ましい交通事故が発生しました。
ニュースの概要は以下の通りです。
25日朝、苫小牧の国道で軽乗用車と乗用車が衝突し、25歳の女性と6歳の長女が死亡するなど4人が死傷しました。
25日午前8時前、苫小牧市錦岡の国道36号線で、交差点を右折していた軽乗用車と反対方向から直進してきた乗用車が衝突しました。
この事故で、軽乗用車に乗っていた親子3人のうち、運転していた苫小牧市弥生町のパート従業員・瀬下布未佳さんと長女の柚月ちゃんが頭を強く打つなどして、運ばれた病院で死亡しました。
また、長男・桐斗ちゃんと、乗用車を運転していた28歳の男性が軽いけがをしました。現場は見通しの良い信号機のある交差点で、警察が目撃者から話を聞くなどして当時の状況を調べています。
HBCニュースより
交通事故で軽自動車に乗っていた若い母子が命を落としたことが残念です。
右折しようとしていたところ直進車と衝突したようです。
現時点ではっきりとした原因は分かっていませんが、HBCのニュース映像を見る限りでは直進車がスピード超過で走っていた可能性が濃厚です。
軽自動車は数十メートル吹っ飛ばされて原型をとどめていません。
衝突した直進車のフロント部は大破しています。
どれだけのスピードでぶつかったら、軽自動車がこれだけ吹っ飛ぶのだろうと思わずにいられません。
亡くなられた母子と遺族の無念さは察するに余りあります。
原因は直進車のスピード違反か
右折しようとした軽自動車側が目測を誤ったとの見方が出ています。
直進車は信号機もなぎ倒していますから、異常に速かったに違いありません。
苫小牧市内の国道ですから、制限速度は時速60km以内のはずです。
ヤフーニュースにも取り上げられていたので、理不尽な事故の大きさを物語るものだと言えます。
ヤフコメ欄には、つぎのようなコメントが寄せられていました。
- ここまで大破するってことは、直進側は100キロ余裕で越えてないか?
右折側に注意義務が強いといえ、一般道路での想像を遥かに越える速度だった場合は、過失割合変わるだろ。- それにしても軽を潰して且つ、信号機をなぎ倒す程の速度となればインプレッサ側の速度超過は重大な過失
- 乗用車側は現行のWRXやね。乗員守るのは優秀でも肝心のドライバーがやたら飛ばすんじゃただの走る凶器。
- 家の前が同じ片側二車線で右直事故を幾度か見てるが
60km前後での事故でここまで大破はありえない
恐らく直進側が100kmぐらいは出てたはず
WRXの右前が潰れてることから、右折しかけた軽に対向のWRXが突っ込んだってとこかな。軽のドライバーの予想以上の速度で走ってたら起こりうる事故よね。- 車種を見ればスピードを出していたのはどちらかは容易に想像できる
事故としては典型的な右直事故だから過失は右折側が大きいが直進側のスピードが出て無けりゃこんな大事故にはならなかったわな- いくら軽でも60キロくらいではここまで大破しないように思います…。直進は120~130出ていたのでは? 通常のスピードだったらまだこの距離なら行けると右折入ったところ、実際はとんでもないスピードだったのかと…。信号無視や違法速度だったらなら、殺人事件です。
北海道砂川市で発生した交通事故が想起される
「砂川市一家5人死傷事故」は、2015年6月6日に発生した交通事故です。
一家五人が乗る軽ライトバンに、飲酒運転をした上にカーチェイスを行っていた大型SUV車が、信号無視して体当たりしたという事故でした。
軽ライトバンは約60メートル吹っ飛ばされています。
衝撃で車外に投げ出された高校生は、生きたまま約1.5キロメートル車に引きずられて亡くなったことも衝撃でした。
加害者は危険運転致死傷罪で起訴され、一人は懲役23年が確定しています。
Wikipedia「砂川市一家5人死傷事故」より
車が猛スピードで突っ込むと、衝突された車は数十メートルにわたって吹っ飛ぶという事実。
いまいましい事故として記憶に残るものでした。
青森県つがる市で発生した類似事故
9月22日には、青森県つがる市森田町の国道101号で、車4台が衝突し、4人が死亡、4人が重軽傷を負うという事故が発生しました。
2018年9月24日つがる4人死亡事故 速度超過が一因か
青森県つがる市の国道101号で22日未明に乗用車4台が衝突、男女4人が死亡した事故で、いずれかの車がかなりの速度を出していたとみられることが23日、捜査関係者への取材で分かった。つがる署は、速度超過が多重事故の一因となった可能性があるとみて、各車の速度や衝突順など事故原因の特定を急いでいる。
WEB東奥より
今回の苫小牧市の事故と同じように、事故現場は見通しのよい直線道路だったようです。
ヤフーニュースにも取り上げられましたが、ヤフコメによると、白い車による速度超過と無理な追い越しが原因ではないかとの見方がありました。
日テレNEWS24より
「白い車」は、マツダのSUV車「CX-5」のように見えます。
画像:Wikipediaより(反転したもの)
ディーゼル車であれば、トルクフルなので加速に優れていると言われます。
スピードを出しやすい車だということです。
事故に大きく絡んでいる疑いがぬぐえません。
【追記】2018年10月22日
つがる市で発生した交通事故の真相が明らかになりました。
青森県つがる市の国道101号で9月、酒を飲んで乗用車を運転し、制限速度を大幅に上回る時速約130キロで暴走して4人が死亡する多重事故を引き起こしたとして、県警は22日、自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致死傷)の疑いで、運転していた団体職員、高杉祐弥容疑者(32)=つがる市=を逮捕し、発表した。
県警は、高杉容疑者の友人で、この乗用車に同乗した無職の野呂祐太朗容疑者(33)=同=についても、運転者が酒を飲んでいるのを知りながら同乗したとして、道路交通法違反(酒酔い運転同乗)容疑で逮捕。県警によると、高杉容疑者は容疑を否認し、野呂容疑者は認めているという。
朝日新聞デジタル10月22日付記事より
原因は飲酒運転をした容疑者が、制限速度を80キロを上回る130キロで暴走したことにありました。
暴走したまま前方の軽乗用車に追突し、さらに中央線をはみ出して対向の別の軽乗用車と正面衝突したようです。
追突された軽乗用車は、道路脇の柵にぶつかって横転。
乗っていた夫婦が死亡しました。
正面衝突された軽乗用車は道路脇の田んぼにはじき飛ばされました。
乗っていた代行運転手の男性と客の女性が亡くなっています。
朝日新聞デジタルによると、容疑者は自宅でバーベキューをしながら飲酒したあと、知人らと車で移動していたようです。
大幅に速度超過した「白い車」が、追突で引き起こした悲劇。
飲酒運転で4人を死亡させた容疑者の罪は、断じて許されるものではありません。
【追記】2020年5月15日
青森地検は走行速度を上方修正しました。何と160キロ以上で車が暴走していたようです。事故を起こした男は、当然ながら失職していました。
2018年9月に青森県つがる市で車4台がからみ男女4人が死亡した多重事故で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の罪で起訴された被告の無職の男(34)=つがる市森田町大館千歳=が事故直前、時速約163キロまで加速していたとみられることが13日、青森地検への取材で分かった。事件は19日から来月8日まで裁判員裁判で審理される。
青森地検はこれまでの調べで、時速約129~138キロで走行していたとしていたが その後の調べで約163キロまで出ていたと起訴内容に追加した。3月26日までに起訴内容を一部変更し、最高速度や事故直前の被告の様子、被害者の運転する車両同士の衝突箇所を改めた。
青森地裁は13日、裁判員の選任手続きを行い、呼び出し状を送った96人のうち37人が出頭し裁判員6人と補充裁判員2人を選んだ。
WEB東奥日報2020年5月14日付記事より
青森地裁の判決が出ました。求刑通りの懲役20年の実刑判決です。
青森県つがる市の国道で2018年9月、車4台が絡み男女4人が死亡した多重事故を巡り、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の罪に問われた無職の被告(34)=同市森田町大館千歳=の裁判員裁判の判決公判が8日、青森地裁であった。寺尾亮裁判長は危険運転致死傷罪の成立を認め、求刑通り法定刑の上限となる懲役20年の実刑判決を言い渡した。
争点の(1)アルコールの影響により正常な運転が困難な状態だったか(2)その状態を被告が認識していたか-について、地裁はいずれも検察側の主張を採用。事故当時被告は飲酒の影響により正常な運転が困難で、認識もあったと認定した。
理由として、法定時速50キロの国道を一時時速約163キロに加速させた上、衝突直前まで先行車両に気付いていない点を挙げ、「被告の運転態様は、正常な状態にある運転者であれば考えられないような、当時の道路状況にそぐわない異常なもの」と指摘した。
弁護側は、国道に出るまで被告が狭い道路を運転しているなどとし、正常な運転が困難だったとまでは言えない-と無罪を主張したが、寺尾裁判長は「(狭い道路は)そもそもスピードが出しにくく慎重に運転せざるを得ないため、酩酊(めいてい)の影響が顕在化しなかったにすぎない」と退けた。
認識の有無については、高速度運転は意識のある状態でアクセルを踏み続けない限りできないことや、同乗者から速度を落とすよう注意された被告が返事をしていることから「意識を失うことなく運転を続けており、自らが高速度運転をしている状況も認識していた」と結論付けた。
その上で「運転の態様は極めて危険性が高く悪質。全く落ち度のない4人の尊い命が奪われるなど結果は重大」と指摘。「刑期を減じるべきとは言えない」とした。
控訴について被告の弁護人は取材に「検討したい」と話した。ただ、判決前の接見で被告は、どんな判決が出ても受け入れる-と述べていたという。
判決によると、被告は18年9月22日午前1時10分ごろ、同市森田町下相野亀山の国道101号を鯵ケ沢方向から五所川原方向に車で走行。酒の影響により正常な運転が困難な状態で、前を走る軽自動車に衝突。車4台が絡む多重事故を引き起こし、運転代行運転手山田春治さん=当時(63)、客の山田久美子さん=同(46)、会社員廣船淳さん=同(43)=と妻の愛莉さん=同(30)=を死亡させ、3人に重傷を負わせた。
WEB東奥日報2020年6月8日記事
まとめ
私も日常、車を運転するので、事故は他人事ではありません。
速度超過が原因と思われる事故のケースを見聞きするたび、本来は防げた事故ではないかと感じます。
少しでも悲惨な事故を減らすには、当たり前のことを意識するだけです。
制限速度を守る。
見通しのよい直線道路であればなおのこと、ハンドルを握る者は、自制に努めたいものです。
※9月21日から30日までは秋の全国交通安全運動の推進期間です。
取締りの強化が図られていますので、「ネズミ捕り」をするパトカーを目撃する機会が増えます。
速度違反にはくれぐれも気を付けましょう。
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